筆者は小学1年生の母親です。
→現在小学4年生になりました。小学校高学年や中学受験生向けのおすすめの教材も追記しました。(2024/5)
算数の文章題や、国語の長文読解の設問の意味を子どもが理解できないことがあり、読解力を鍛えるにはどうしたらいいか悩みました。
子どもの『読解力』を鍛えるにはどうしたらいいんだろう??
「AI vs 教科書が読めない子どもたち」という本で、著者が、多読ではなく精読、深読にヒントがあるのかもと述べている点に共感し、また国語の先生の本や論文を読み、論理的思考を身につける訓練が良いのではと感じました。
小学生のうちに様々な方向から、子どもへアプローチすることで何かしら効果が出てくると感じ、親が教えるために必要なことを調べ、現在実践中です。
本記事では、テクニックや演習問題、口コミで良いと言われている本やドリルを実際に書店で確認、購入した中で、小学生の読解力を鍛える方法や参考になる本、ドリルなどを紹介します。
読解力とは
読解力を辞書で引くと、「文章を読んで、その内容を理解する能力」とあります。(コトバンク)
「読む」 言語的意味の理解+伝達意図を読み取ること
・文章の言語的意味を理解すること
→ 言語的なルールの知識が必要。
・書き手が文章で伝えようとしている意図を解釈すること
→ 状況を知り、状況証拠的に推論し解釈する。
知識と思考が必要ですね。
日本の子どもの読解力は低下している?
OECD(経済協力開発機構)が、2000年から学習到達度調査(PISA)を行っています。
15歳児を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野を3年ごとに調査しています。
調査は2022年、81か国・地域の約69万人が参加しました。
前回2018年は読解力が504点(15位)と前々回より低下していたのですが、2022年の調査で、516点(3位)に上昇しました。
前回と比較すると習熟度レベルの低い層が減少しています。
前回よりも記述の正答率が上がりました。
学習指導要領が変わったことも関係していそうです。
参考:国立教育政策研究所 OECD生徒の学習到達度調査(PISA)
読解力を鍛える方法
読書
読解力を鍛える方法としての読書は、文章の文字をただ目で追うだけでなく、イメージして読むことが大切です。
登場人物の気持ちを想像したり、自分の考えと違っているところでは、立ち止まって考え、たまには筆者にツッコミながら読むことで、内容を理解する力が身に付きます。
サラッと読むのはもったいない。
また読書は、自分が体験したことのないことを本を通して疑似体験できます。
海外の生活や、戦争、貧困、恋愛など、本を通して様々な人の考えを知り理解していくことは、試験で出てくる長文読解だけでなく、生活の中でも、人の気持ちを想像し理解できる人間への成長につながります。
読み聞かせ(幼児から低学年)
小学生に本を読み聞かせることの効果は高いです。
親が読みながら、子どもが知らない表現や言葉を教えることができます。
また、泣いている場面では、どのような感情からの涙なのか、子どもに問いかけます。
涙は、悲しいとき、痛いときだけでなく、つらいときや、うれしくても流れるということを本を通して子どもに教えます。
幼児・低学年の子どもには、読み聞かせ後、親が問題を出して子どもに答えさせるなど工夫することで読解力が向上します。
おはなしドリルシリーズは種類が多くおすすめです。
精読が重要!!
読解力は、精読がポイントです。
好きな本を繰り返し読むことで、精読できている場合もありますが、意識しないと難しいです。
精読できているかチェック
・難しい言葉や概念の理解。
・主語、述語、指示語のチェック。
・原因、理由や、背景、心理を読み取る。
・別の表現で表されているものをチェック。
・著者の意見、事実の把握。
このような点を注意しながら、読み進めます。
この精読って長文読解のドリルの問題を解くときにやっていることだよね??
正解!!
本を読むだけではなく、長文読解のドリルを併用すると効果が高いね。
精読はほんの少し難しい問題に取り組むのが読解力UPのコツだよ。
東進オンライン学校 小学部の国語では、読解力を鍛える内容です。
精読する力と全体を俯瞰(ふかん)する力を養う授業が売りで、先生と一緒に長文を読むことで、長い文章の理解が深まります。
費用も他の通信教育よりもリーズナブルなので、気になる方はお試ししてください。
要約
要約とは、文章の要点をまとめることです。
読書をしたら、どんな内容だったかをまとめて話す。できれば、書くことがおすすめです。
低学年のうちは、本を読んだ後、親が子どもに質問するように心がけ要約する力を鍛えましょう。
中学年になると、書くトレーニングを取り入れるとより効果が出ます。
昔から天声人語を要約するトレーニングが有名ですね。
小学生新聞『天声こども語』の要約にも挑戦してみてください。
作文トレーニングも効果が高いよ。
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読解力を鍛えるおすすめ本・ドリル
論理エンジン、論理国語
親へ向けた説明がしっかりしているので、家庭学習に向いています。
この画像は、解答のページの説明です。
「にんじん」を「人じん」などのように、文中の表現と異なる場合は正解とはいえません。
ちょっとしたことですが、親が丸付けで悩む点をしっかりカバーしています。
論理エンジン、論理国語共に1年生から6年生まで出ています。
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集
ふくしま式は、ベーシック版が小学1年生から3年生向け。
その後、小学生版1と2に取り組むのがおすすめです。
ベーシック版は、語彙力と基本の型を学ぶ内容です。
長文問題を解くスタイルではなく、「つまり、なに?」「たとえばどういうこと?」「ちがいを考えよう」というような、基礎を学び読解につなげるテキストです。
3年生以降は、読むに特化した「国語の読解問題」に強くなる問題集と、書くに特化した「書く力」が身につく問題集も取り入れるとより力がつきます。
「国語の読解問題」は、レベルが高いので気を付けてください。
(基礎)おはなし推理ドリルシリーズ
ナゾトキと文章読解がテーマのドリルです。
科学事件、都道府県事件、百人一首事件などテーマもよく、子どもが楽しんで取り組めます。
1人で本を読む、音読の練習にもぴったりです。
(基礎)学研毎日のドリル 文章読解
文章問題が苦手な子どもに、短い文章からスモールステップで力をつけるドリルです。
アプリで賞状やメダルを獲得でき、学習を終えるとハムスターを育てることができます。
読解力を高める精読は、少し難しい文章を読むこともポイントの一つです。
謎解きドリルや、毎日のドリルを簡単にできるようなら、レベルアップもしくは、学年を上げて取り組んでください。
ハイレべ100 読解力(1~3年生)
1年生から3年生までは、ハイレべ100のドリルが安く、問題数が多いのでおすすめです。
(応用)Z会グレードアップ問題集 国語読解
Z会グレードアップ問題集は、1年生から6年生まであります。
教科書レベルだと、物足りない子にぴったりの内容です。
(中学受験)啓明館が紡ぐ 小学国語 読解の基礎
基礎、応用、完成と3冊あり、基礎は、3年生~5年生向けです。
問題が良質で、読解問題の解き方と解説がとても丁寧です。
「答え方のおやくそくとおけいこ」は、子どもと一緒に確認することで、力がつきます。
中学受験を予定している子どもに、おすすめのテキストです。
(親向け)中学受験向け長文読解のテクニック
中学受験用の長文読解に使えるテクニックが書かれた本が多くでています。
その中でも、小学6年生、保護者、塾・学校の先生向けに書かれた「文章読解の鉄則」が、内容が濃いので購入しました。
国語で高得点を取るための技術が「読み方」45通り「解き方」59通り詳しく紹介されています。
論説文の読み方の鉄則の一例です。
子どもが長文読解の問題に取り組むときに、鉄則を伝え続けることによって理解が進むと考え、まず親が書き出し覚えている最中です。
接続詞を記号化し、線を引く方法を徹底して教える予定です。
小学6年生の特に優秀な子どもは、自分で読んで落とし込むことができると思いますが、この本は親が読んで子どもと一緒に取り組むと効果が高いと感じます。
(中学受験)塾技100 国語
井上先生の「文章読解の鉄則」を小学生が取り組めるように、中学受験塾技100国語として出版されました。
私も購入しましたが、読み方・解き方の技を説明している下に、入試問題に取り組むようになっており、すぐに実践できる内容です。
中学受験の学習をしている4年生~6年生におすすめです。
マンガでわかる!読解力を10日で上げる方法
中学受験塾の講師がマンガで解説している本です。
マンガと図解で子どもにもわかりやすく伝えているので、塾技に取り組む時間がないけれども、国語を読み解くテクニックを簡単に知りたい方にはおすすめです。
中学受験の4.5年生で少し国語が苦手に感じている子には親が一緒に読むのがおすすめです。
文章読解力を鍛えるには語彙力が重要
子どもの様子を見ていると、わからない語彙が出てきても、調べずに飛ばして読んでいます。
前後の文章でなんとなく想像しているのかもしれませんが、そこまで深く読んでいないと感じます。
国語の長文読解問題では、わからない語彙を小学生はさらっと読み飛ばします。
しかし語彙力が上がると読み飛ばしがなくなり、文章を深く理解できるようになります。
つまり読解力の向上につながります。
説明文が苦手な子どもと一緒に取り組むために購入したドリルがこちらです。
説明文の中には、普段使わない言葉が多く出てくるので、意味が理解できず苦手になると思います。
小学4年生までに覚えたいシリーズですが、5年生以降でも説明文が苦手な子どもにおすすめです。
語彙力を鍛える方法
また国語の長文問題が苦手なわが子への対応として、本文を親が音読し、子どもと一緒に問題を考えることを繰り返すことを試しました。
読むときには、その都度わからない言葉を確認したり感情を確認・説明します。
そうすると少しずつですが、読み方や理解が深まってきたと実感しています。
小学校低学年・中学年で、国語の長文問題が苦手なお子さんには、親が音読して一緒に問題を解くということを、一度試してみてください。
まとめ
読解力がないと国語はもちろん、算数の文章題や理科・社会を理解することも難しくなります。
私自身、小学生用の長文問題を読み、自分自身が感覚で解いていたことに気が付きました。
子どもへの教え方に不安を感じ、テクニック本や読解に関する本を読むと、「なるほど!これは学生の時に知りたかった。」と気付くことが多々ありました。
子どもと一緒に試している最中のため、今後良い効果が見られたときは、報告します。
親として、お互い試行錯誤しつつ子育てを楽しみましょう。
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